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なれのはて

第二の人生

 

フィリピンのストリートと第二の人生セカンドライフ
海の向こうにみた人生最後の景色とは─

「世界三大夕日の名所」の一つと言われるマニラ。そんなマニラ市民の憩いの場が、海沿いに整備された遊歩道、ベイウォークだ。夕方までは、海沿いのそぞろ歩きを楽しむ家族連れや、夕日を眺めるカップルたちで賑わう。それが夜になると、どこからかホームレスたちが集まり、ここは彼らの「ねぐら」になる。その中にひとりの日本人がいた。赤塚崇さん 58 歳。裏稼業で幅を利かせた生活をしていたもののフィリピンで騙されて一文無しに。日中は露店のタバコ売りの手伝い、夜はベイウォークで路上生活をしている。愛嬌のあるその人柄が幸いしてか、フィリピン人に助けられてばかりの毎日を送っている。

 

一方、ベイウォークにほど近い高層アパートメントに入居した関谷正美さん 62 歳。日本で年金生活を送っていた関谷さんだったが、楽しい老後を夢見て「呑む・打つ・買う」が歩いてできるフィリピンに移住を決めた。ベランダから海を望む見晴らしと、自分好みにリフォームした部屋で、第二の人生をスタートさせた関谷さん。しかし、フィリピン人をなかなか信用できない彼は、何をやってもうまくいかない。そのうちに、部屋に閉じこもってしまうようになる。50 歳を過ぎて日本を飛び出し、フィリピンでの生活に夢をみた2人。
果たして彼らを待ち受けるものとは―

 

 

フィリピンの困窮邦人を描いた
『なれのはて』には続編があった!?
7年の歳月をかけて撮影された
もうひとつのドキュメンタリー

2021年12月に公開された粂田剛監督『なれのはて』。フィリピンに生きる4人の困窮邦人を描いた本作は、各方面で話題になった。本作は、のべ7年の歳月をかけてフィリピンでカメラを回し続けた粂田が、『なれのはて』に収録できなった人物たちを改めて再構成して出来上がった作品である。 今回の中心人物となる2人は、『なれのはて』の4人とは異なり、家を持たずホームレスとして暮らす赤塚さん、年金生活者だが、第二の人生を求めフィリピンに移住した関谷さんが中心に据えられた。

 

金もなく家も無いが、持ち前の愛嬌と人の好さでフィリピン人にいつも助けてもらっている赤塚さんと、お金はあるが、人を信用することができず、外国の高層ビルに閉じこもって暮らす関谷さん。 マニラの中心街、数百メートルしか離れていない場所で、対照的な暮らしをしている 2 人に共通しているのは、50 歳を過ぎて身寄りのない海外で自分なりのリスタート=再起をかけて生きているということ。その姿は観る我々自身にも、いつかくる老後の生き方を捉えなおすきっかけになるに違いない。

 

cast

 

赤塚 崇 さん(58)

東京生まれ栃木県育ち。高校卒業後、自動車整備工や株式仲買人などを経てブローカーに。法律スレスレ、時には踏み外しつつ?裏社会を生きてきた。 数年前、フィリピンでの事業に誘われ訪比したが、騙されて無一文に。

俺はなんとかなりますよ、俺はね・・・
ならなくちゃ、もう疲れた、死んじゃうよ
まぁ、コジキにならないとわかんないすよ

関谷 正美 さん(62)

岐阜県出身。大学卒業後、家業の繊維問屋を継ぐが倒産、その後は様々な仕事を転々とする。訪比前は派遣社員として東京の電気店で働いていた。若い頃から海外旅行が趣味で、一番多く遊びに行っていたフィリピン・マニラへの移住を決める。

フィリピンは物価が安い、というイメージがね。
それと海がキレイ で、呑む打つ買うが全部できるでしょ

STATEMENT

 

日本から海外に飛び出した人たちの“その後”に興味があった。 彼らがそこでどんな暮らしをして、何を食べ、周りにはどんな人たちがいるのか…その生活は幸せか?それとも不幸か?今の自分の境遇を嘆いているのか、満足しているのか、または諦めているのか?そして故国日本に対してどんな感情を抱いているのか?彼らのことを知りたかった。それを何らかの作品にして残したかった。 2012 年から 2019 年の間、カメラを持って 20 回ほどフィリピンを訪れ、多くの日本人に会った。ほとんどが男性だった。犯罪を犯して逃げてきた人、フィリピン人女性と結婚し移住した人、女性を追ってやって来てどん底に落ちた人、貧困の中家族を作り暮らしている人… 当たり前だが一人ひとりにそれぞれの人生があり、それぞれの思いがあった。撮影させてくれた人も、撮影はダメだという人もいた。次に行った時は行方不明になっていた人もいた。継続的に撮影させてくれた人は7人だった。その中の4人を主人公に『なれのはて』という映画を作った。 映画は第3回東京ドキュメンタリー映画祭でグランプリ&観客賞を受賞し、一般劇場公開されることになった。素直に嬉しかったが、そのあと、多少の割り切れなさが残った。映画に入らなかった人たちのことだった。長年にわたって撮影させてくれたのに、作品に結実しなかった人たち…彼らに申し訳なかった。彼らのためにもう1本、映画を作るべきだと思った。誰にも評価されなかったとしても。 そんな思いで完成させたのが今回の『ベイウォーク』だ。 この映画には、マニラで無一文になりホームレスにまで落ちぶれた男性と、老後をフィリピンで過ごそうと移住してきた男性が登場する。彼らの生活圏はほぼ重なっているが、互いの存在を知ることはない。片やストリートを這うように生き、もう片方は高層マンションにひとり暮らす。彼らの行く末がどうなるのかは…ぜひ映画をご覧になってほしい。 自分がなぜ、日本を捨て海外に暮らす人間たちに惹かれたのか。それまでの暮らしをリセットして新しい人生を生きる彼らが羨ましかった?そう思ったこともあった。どん底で生きる彼らの暮らしの中に、むき出しの「生」を感じた?そんな瞬間もあったが、それだけではない気がした。 7年間取材して2本の映画を作り、彼らのことを知るための長い旅はいったん終わったが、答えは、未だに分からない。

監督 粂田剛

 

director

 

監督|粂田 剛 Tsuyoshi Kumeta

1969 年愛知県生まれ。
東京都立大学人文学部社会学科文化人類学専攻卒業。
フリーの助監督として原将人『20 世紀ノスタルジア』(1997)、矢崎仁司『ストロベリーショートケイクス』(2006)、松井良彦『どこに行くの?』(2008)などに参加。その一方で、企業 PR 映像や教育映像、テレビ番組のディレクターとしても仕事を続ける。主な演出作品に『フランケンシュタインの誘惑 科学史 闇の事件簿 第三夜 クローン人間の恐怖』(NHK BS プレミアム)、『珍盤アワー 関根勤の聴くメンタリー!』(BS フジテレビ)、『ザ・ノンフィクション シフォンケーキを売るふたり』(フジテレビ)などがある。2021 年 12 月、初の長編ドキュメンタリー映画『なれのはて』が全国劇場公開された。

 

staff

 

音楽|高岡 大祐 Daysuke Takaoka
テューバ奏者、録音家。大阪生まれ。
90年代中頃より音楽活動を開始、ソロでの活動と共に、板橋文夫オーケストラ、華村灰太郎カルテット、桜井芳樹ホープ&マッカラーズ、渋さ知らズ、自身のリーダーバンドDead Man’s Liquorなどで即興演奏、ジャズ、ロック、ポップスなどのジャンルを超えて活躍中。独自に開発した多くの特殊奏法を駆使した演奏はチューバの限界を吹き飛ばし続ける。 フィールドレコーディングと即興演奏を組み合わせた独自の録音制作活動も行う。
ドキュメンタリー映画「なれのはて」粂田監督につづき映画音楽2作目となる。

 


調音監修
|浦田 和治 Tomoharu Urata
北海道生まれ。「ゴッド・スピード・ユー! BLACKEMPEROR」(柳町光男監督/1976)で録音技師としてデビュー。
主な担当作品に「追悼のざわめき」(松井良彦監督/1988)「我が人生最悪の時」(林海象監督/1994)「20世紀ノスタルジア」(原将人監督/1997)「白痴」(手塚眞監督/1999)「ジョゼと虎と魚たち」(犬童一心監督/2003)「ノルウェイの森」(トラン・アン・ユン監督/2010)「凶悪」(白石和彌監督/2013)「幼な子われらに生まれ」(三島有紀子監督/2017)などがある。
2018年「孤狼の血(白石和彌監督)」で日本アカデミー賞最優秀録音賞を受賞。
本作でのクレジットは、『劇映画とドキュメンタリーでは音に対するやり方が違う』との思いから、本人の希望で“調音”となっている。

調音|宮崎 花菜 Kana Miyazaki
神奈川生まれ。大学卒業後、株式会社サウンドデザインユルタに入社し、映画録音の世界に飛び込む。
録音助手として映画・ドラマ・CMの現場録音と仕上げに携わり、「凪待ち」(白石和彌監督/2019)、「最高の人生の見つけ方」(犬童一心監督/2019)、「太陽の子」(黒崎博監督/2020)、「舞妓さんちのまかないさん」(是枝裕和監督ほか/Netflix2023)などに参加。
本作が調音(整音)技師としてのデビューとなる。

劇場公開

 

北海道・東北
地域 劇場名 電話番号 公開日

 

関東
地域 劇場名 電話番号 公開日
東京 新宿区   K’s cinema 03-3352-2471 2022年12月24日(土)公開
神奈川 横浜市   横浜シネマリン 045-341-3180 近日公開

 

甲信越
地域 劇場名 電話番号 公開日

 

中部
地域 劇場名 電話番号 公開日

 

近畿
地域 劇場名 電話番号 公開日

 

中国・四国
地域 劇場名 電話番号 公開日

 

九州・沖縄
地域 劇場名 電話番号 公開日

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『ベイウォーク』2022/日本/DCP/カラー/90分
出演:赤塚崇、関谷正美
監督・撮影・編集:粂田剛 音楽:高岡大祐 
調音:宮崎花菜 調音監修:浦田和治
デザイン:千葉健太郎 HP制作:久保田かおり
製作:有象無象プロダクション 配給・宣伝:ブライトホース・フィルム

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